@DTP Transit の鷹野さんによって先月開催された朝までイラレ#2でご紹介しました、Adobe Illustrator 検定の難問に ID#111「複合パスの中マドで図のようになるパスの向きをひとつ選択してください。」というのがあります。
(朝までイラレ#2のおまけPDFとほぼ同じ内容です。)

複合パスの中マドで図のようになるパスの向きをひとつ選択してください。

複合パスのパスの向きと中マドの関係についての問題なんですが、結構難しいですよね。正解は上図では左上です。(Illustrator検定では解答箇所もランダムに変わります)

複合パスの中マドとパスの方向の仕組み

通常、楕円ツールで円を描画した場合、パスの方向は時計回りです。
複合パスを適用すると、交差するパスの片方が、自動的に逆回りに変換されます。

A複合パスでは、交差するパスの方向が反転していると中マドになる。(時計回り/反時計回り)
Bパスの方向が同じだと、交差するパスは中マドにならない。
これはデフォルトでは、複合パスの交差するパスに「塗りにワインディング規則」が適用されているためです。

パスの方向を反転する

パスの向きを変えたい場合は、ダイレクト選択ツール(グループ選択ツール)で複合パス内で変更したいパスのみを選択し、属性パネルのパスの方向反転のオンオフで切り替えます。
オフが正方向(時計回り)オンが負方向(反時計回り)です。

もしくは、オブジェクトメニュー>パス>パスの方向反転 を適用します
パスの方向反転は、ブラシなどでもよく使用するメニューコマンドなので、覚えておくと便利です。

図形によっては交差するパスの方向を交互にできない

下図のような重なり方の場合、交差する全てのパスの向きを互いに逆方向にすることはできません。逆方向になっているところは中マドになりますが、パスの方向が同じ場所では中マドになっていないのがわかります。

塗りに奇遇規則を使用する

複合パスを適用した後、属性パネルで「塗りに奇遇規則を使用」に変更します。パスの方向にかかわらず、交差している箇所が中マドになります。

上記の通り奇遇規則を使用すれば実はパスの方向なんかどっちでもいいのです。ですが、複合パスの中マドのデフォルトがワインディング規則になっていて、パスの方向で解決することもあるので問題にしてみました。ここを使いこなしている人ならば「ああワインディング規則のことを言ってるのね」と解りますし、「マニアック」カテゴリの問題ですので!

パスの方向を表示

パスの方向を表示するには、線の終点に矢印を設定するとわかりやすいです。